今こそ読むべき1冊!書籍【岩手大学名誉教授 齋藤徳美 著】岩手・減災 近年の足跡 これからも生かされていく私たち
¥1,650 税込
なら 手数料無料で 月々¥550から
別途送料がかかります。送料を確認する
書籍:『岩手・減災 近年の足跡 これからも生かされていく私たち』
著者:齋藤徳美
発行:盛岡出版コミュニティー
発行日:2023年11月11日
ページ数:402ページ
書籍【岩手大学名誉教授 齋藤徳美 著】岩手・減災 近年の足跡 これからも生かされていく私たちは、地域の減災に対する取り組みや知識を深めるための一冊です。著者である齋藤徳美氏は、岩手大学の名誉教授として、豊富な経験と知見を活かし、最新の研究成果をもとに、減災の重要性や実践的な取り組みについて分かりやすく解説しています。この本を通じて、読者は今後の防災に向けた考え方や行動を学び、自らの生活に役立てることができます。
その他:本書は、地域の防災活動に関心のある方々や、減災に向けた実践を考えるすべての人にとって、有益な情報が満載です。
自然災害の「減災」に正面から立ち向かう
岩手の防災を考える連載記事を書籍化
令和5年11月11日、盛岡出版コミュニティーから『岩手・減災 近年の足跡 これからも生かされていく私たち』が発行された。著者は岩手大学・齋藤徳美名誉教授。自然災害と防災のエキスパートで、教鞭を取りつつ、産官学連携組織「岩手ネットワークシステム(INS)」の創設や岩手大学の地域貢献の戦略的拠点「地域連携推進センター」を統括した実績も持つ。
著者の岩手大学・齋藤徳美名誉教授。
本書は「岩手日報」にて、令和2年4月から2年半、毎週日曜に掲載された「猛威と闘う」を書籍化したもの。
岩手県の災害の歴史や取組について、「地震災害」「津波災害」「火山災害」「豪雨災害」の4部に分けて紹介。その中での行政・民間企業・大学・住民の連携にも言及し、後世へ残す資料的役割も果たしている。
齋藤先生が岩手日報から連載を打診されたのは、連載が始まる半年前。テーマは「防災」だった。
「火山もある岩手県。平成10年(1998)に岩手山噴火の危機が高まりました。それまで県民の多くは岩手山が活火山だということを意識していませんでした。その後の平成23年(2011)の東日本大震災、平成28年(2016)の台風10号豪雨災害がありました。その間、私は岩手県や国などの関係機関と立ち上げた岩手山火山災害対策検討委員会、風水害対策支援チームなどにも関わってきました。連載の機会に自然災害と防災の歴史、経緯などをまとめて残したいと思ったのです。一番は住民の方に防災への意識を持ってもらいたいという願いがありました」
齋藤先生の本来の専門は地下計測学。地熱と地下資源開発を研究・調査をしていたという。だが、昭和53年(1978)に東北大学大学院から岩手大学に赴任するとき、先輩から「地域に役立つ研究をしなさい」と言葉をもらったのが地域防災学への一歩となった。
「地域に役立つもの。岩手でいえば、地熱と津波でした」
齋藤先生は松川(八幡平市)や葛根田(雫石町)の地熱の調査・研究を行い、その関連として防災にも取り組み、「INS地盤と防災研究会」を立ち上げた。齋藤先生の中で地下計測の目的が「資源調査」から「地震防災」に変化した。そのようなときの平成7年(1995)に阪神・淡路大震災が発生。同年、岩手山での火山性微動が観測された。INS地盤と防災研究会を中心として、国や自治体と共に「岩手山火山防災マップ」をつくり上げた。
「その時の岩手日報の見出しが『岩手山 忘れたころに 活火山』。地球は生きているので、自然災害は起きるもの。だからこそ、防災を意識しなければならない」と齋藤先生はいう。防災には産官学、報道機関、地域住民で取り組まなければならない課題とも。
昨年9月、岩手県は日本海溝や千島海溝などで巨大地震と津波が発生した場合の被害想定について、東日本大震災を上回ると発表した。東日本大震災の検証に関わった齋藤先生は「巨大地震が起きたら、高台や避難施設に即避難」と強くいう。そのためにも避難訓練を定期的に実施したり、高齢者や障害者など避難弱者の避難計画の整備を進めたりしなければならないと訴える。さえに、住民を確実に避難させるために地域や学校、企業に防災士を配置し、避難を啓発する一つの方法と提案する。
齋藤先生は、大学を退官した現在も、岩手県をはじめ東北各地で自然災害と防災についての講演を行っている。
40年以上にわたり、地域防災に携わり牽引してきた齋藤先生。
「この本が次の世代の人たちへ期待を込めるメッセージになればと思っています」と言う。それは本書のサブタイトル「これからも生かされていく私たち」にも表れている。私たちは今まで自然に生かされてきた。山や海の幸をいただき、命をつなげてきた。それはこれからも変わらない。自然は恵みも災害ももたらすが、災害は私たち一人ひとりが意識することで「減災」につなげることができる。それを考えさせてくれる一冊である。
自宅の書斎や資料室の本棚には、東日本大震災をはじめ過去の自然災害のデータや資料のファイルが並ぶ。知の蓄積を感じさせる部屋だ。
齋藤先生は愛犬家。取材中、齋藤先生をじっと見つめる愛犬・はなこちゃん。なんと16歳。
耳も聞こえない、目も見えないはなこちゃんですが、そばに寄り添って常に先生の気配を感じている。
■ 齋藤徳美氏・プロフィール
1945年秋田県秋田市出身。1968年東北大学工学部資源工学科卒業、1973年東北大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。1978年岩手大学に赴任、2004年岩手大学理事・副学長。2010年岩手大学を退任。岩手大学名誉教授、専門は地下計測学・地域防災学。
-
レビュー
(12)
-
送料・配送方法について
-
お支払い方法について
¥1,650 税込